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スマートハウスとは何なのか?

伊勢崎市境萩原にあるスマートハウスの展示場

 「スマートハウス」が注目されている。デジタル技術や最新設備を導入して、住宅性能を引き上げたり、より快適な暮らしを実現できる。HUG design 一級建築士事務所(群馬県伊勢崎市境萩原)の山田和重氏が解説する。

IoTやAIを活用

電気の発電量や使用量などが「見える化」されていることで、より省エネへの意識が高まる

◎ZEH住宅が基本
 スマートハウスの定義は以下の通りです。
創エネ(太陽光発電)
畜エネ(蓄電池)V2H(EV用充放電機能)
省エネ(IoT・AI・HEMS)
全熱交換器・全館空調・全館調湿・全館正圧

 ZEH住宅(ゼロエネルギー住宅)を基本とし、太陽光の電力を蓄電池や電気自動車に効率よくため、または使用し、その上でIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)の力を使用することにより、電力の使用率を監視することで、家の中にある電力を消費する機器を最適に制御していきます。また高断熱や熱交換器によって室内で作られた熱を効率よく再利用することで、さらに省エネにつなげていきます。

◎外部インフラに頼らない
 またレジリエンス性能をもつことも大切で、災害時にインフラが停止した時でも蓄電池やEV(電気自動車)の電気を使用することで普段と変わらぬ生活ができる家を示します。

 ほんの数年前までは、外部にあるインフラを主とした家づくりが基本でしたが、太陽光・蓄電池・AI・空調システム・断熱素材の技術発展により、外部のインフラに頼ることなく生活ができる家の設計が可能となってきました。

災害に強い家づくりのポイントは?

スマートハウスとEVをつなぐV2H

◎耐震等級3相当を確保
 災害に強い家づくりは最低限以下の内容が必要です。
・5Kw/hほどの太陽光は最低限搭載すること。
・耐震等級3相当を確保すること。

 震度7強の地震が発生しても崩壊しないこと。耐震等級1は震度5強(建築基準法の耐震性能を満たす水準)で崩壊しない程度だが、これほどの震度を繰り返すと損傷の可能性があるというものです。

◎数日間の水が必要
 災害時に一番最初にインフラの損傷を受けるのが水道です。数日間の水を確保することも必要ですが、常にきれいな水を入れ替えることができる水貯蔵タンクを確保することが必要です。本下水になると水を流すことはできなくなることがありますが、浄化槽の場合は水を流せる確率が高いので、貯水タンクを確保しておけば、数日安心して生活することができます。

 太陽光などは天気に左右され、発電できない時期も出てきます。電力供給の不安定な国は燃料による発電機の設置で安定電力の確保が行われていますが、今まで供給が安定していた日本では、その概念がありません。原発停止などにより、今の日本は災害が起きればすぐに電力供給がひっ迫し不安定になります。

◎12日間の給電が可能な車
 日本でそれを補う発電機は数少なく、もしあったとしても遠い存在にすぎません。ただし、 PHEV(プラグインハイブリッドカー)などの自動車を利用することで、エンジンで発電をし、V2H(Vehicle to Home、車から家へ)を通して蓄えた電力を供給できる自動車が存在します。メーカー公称値では40㍑のガソリンにて家庭電力使い方で12日間生活が可能で、その間に焦ることなくインフラの復活を待つことができます。

最大限の省エネ性能を持った家を造るには?

エアコン1台で空気が行きわたるようなパッシブ設計を行う

◎電力を自家消費
 最大限の省エネコストをもった家を作る方法は、経験豊富な設計士や住宅メーカーに依頼をすることが必要です。
 最大限の設備を兼ね備えれば当然、省エネ性能を確保できますが、頭打ちもあります。
例えば太陽光をたくさん載せても2023年の売電価格は16円であり、設備投資に合う売電価格は確保できません。そのため、建築する家の大きさや家族の生活スタイルや人数などを加味し、電力を自家消費ごとに設備投資をするのが非常に大切です。

 群馬県でバランスの良いスマートハウスを設計する際に、私の場合は以下のような基本数字からスタートしていきます。
・断熱等性能等級6(HETA20・G2)クラスを確保する場合は、まず床断熱ではなく基礎までを断熱する基礎断熱工法を採用し、熱交換器で基礎下までお部屋と同じ温度を確保していきます。
・リビングには効率の良いエアコンを1台設置し、限りなくその1台で各部屋に空気が行き渡るようにパッシブ設計を行っていきます。
・太陽光は最低5kwほどで蓄電池は10kwほど。エコキュートは昼間沸かせるものでV2Hを付けるかは任意としますが、将来必要になった時点で大きな工事もせずに増設できるようにします。これで4人家族が住む太陽光の自家消費率100%をギリギリ確保できると考えています。

◎プランごとにエネルギー計算を
 簡単に書きましたが、これらの内容が初回設計で提案されたときにこそ、スマートハウスにたけている会社とみることができると思います。
 またエネルギー計算がプラン提案ごとに計算されることが最低限必要であり、計算ができない会社などは、あえて避けたほうが良いと思います。スマートハウスはそれだけつくるのが難しいからなのです。

エネルギー自給率100%の家づくり

家庭用蓄電システム

◎電力会社に頼らない(オフグリッド)
 住宅を電力会社から切り離すことが可能な時代がやってきます。4人家族のオール電化住宅で平均35kwが消費電力に値します。物語形式で説明すると、9kwほどの太陽光を搭載すると、10kwほどの蓄電池を充電するのに晴天で3時間ほどを要します。エコキュートは4人家族の湯量を確保するのに1日平均3kwほどで、昼間に湯沸かしをします。晴天時の太陽光の発電量は平均40kwほどなので、その電力が蓄電できれば良いのです。

 しかし、消防法により家庭内における蓄電池容量は15kw未満なので、V2Hを通して電気自動車を併用しなくてはいけません。現在、日本で発売されているEVは最大90kwを確保できるものが存在し、それらを連携することによって電力会社から切り離して生活をすることができます。
 蓄電池とV2Hを併用して動かすパワーコンディショナーは日本で2社しか製造しておらず、これらの機器に対して知識を持ち合わせた販売店や工務店と必ず検討してもらったほうが良いと思います。

◎電力会社と連携も必須
 電力会社と切り離すデメリットも存在することも理解が必要です。
 オフグリットが可能なパワーコンディショナーは電力会社と切り離すと不安定な時もあり、安定した電力を受け取るには電力会社と連携することが必須です。仮想オフグリットがおすすめなのです。

 今後は大規模な電力会社に頼るのではなく、蓄電池や太陽光を持っている人々とつながり、自分たちが発電した電力を分け与え、または分けてもらうような仕組み「仮想発電所 バーチャルパワープラント(VPP)」が広がりを見せていきます。
 大きな設備投資をしなくてもAIの技術によって、再生可能エネルギーをグループ内でお互いに利用することができるようになってきます。一般住宅ではVPPの取り組みは始まっていませんが、大きな工場や企業ではテスト段階で始まっています。

執筆者Writer

山田和重(やまだかずしげ)

伊勢崎市にある株式会社HUG DESIGN 一級建築士事務所の代表を務める。スマートハウスの設計を専門的に行っており、2023年4月には、太陽光・蓄電池・EVを装備したスマートハウスの展示場をオープンさせた。

HUG DESIGN 一級建築士事務所 HP

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