温泉地移住の魅力発信 伊香保の体験施設 入居者に萩原さん(榛東出身) キャンドル販売やカフェ開業目指す

温泉地移住の魅力発信 伊香保の体験施設 入居者に萩原さん(榛東出身) キャンドル販売やカフェ開業目指す
       

市外からの移住定住を進めるため、渋川市は市内の伊香保温泉に、新たに長期滞在型の移住体験施設を開設した。公募していた入居者は、キャンドル制作を手がける横浜市の萩原奈々さん(26)=榛東村出身=に決まった。施設は、市が元土産物店兼住宅の空き家を改修。萩原さんはキャンドル販売とカフェの創業に挑み、有名温泉地で暮らす魅力を交流サイト(SNS)で発信していく。

施設は1964年に建てられ、地下1階、地上2階建て。市が北群馬信用金庫の寄付金を活用して大規模改修した。店舗部分45平方メートルと住宅部分を合わせ、家賃は月額3万円。契約は1年更新で、萩原さんは最長の3年の入居を希望している。
萩原さんは建物の古さに引かれて入居を希望したという。入居後は店舗部分をキャンドルの販売や制作体験に使い、地下はカフェとしての利用を考えている。今月13日、改修後の施設を初めて訪れ、「地下が気に入り過ぎて。キャンドルのインスタレーション(空間的な芸術)に使える」と構想を膨らませた。
大手企業で働きながら、3年前からキャンドルを作り始め、都内や県内で販売してきた。あれもこれも自分事として捉えて疲れ切ってしまう現実から離れ、癒やしの時間を届けようと、ブランド名は「ヒトゴト」。退職直後の昨秋、みなかみ町の水上温泉での販売で手応えを得て、温泉地への常設店の出店を探ってきたという。
4月中の開業を目指し、店舗は徐々に充実させる。「地元への貢献を考えながら暮らしてきたい」と語り、インスタグラムやTikTok(ティックトック)で伊香保の魅力を広めていく。
市には移住定住の促進と空き家の利活用を同時に進める狙いがある。入居には2人の応募があり、選定委員会が入居者を決めた。

  

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