「空き家」を生かす ー新しいビジネスモデルー

空き家
「空き家」を生かす ー新しいビジネスモデルー
       

取材協力/有志職人集団ぷらっと 代表 大橋 知岳さん

 

空き家をリフォームして新たな価値を加えれば、売ることも貸すこともできる。しかし、改修は費用がかかり、買い手や借り手が見込めない期間は所有者に経済的な負担が重くのしかかる。

 

桐生市内で空き物件のリノベーションを手掛ける「有志職人集団ぷらっと」の代表 大橋知岳さんは、建築の余剰資材を利活用し、空き家の所有者が初期投資コストの不安なく改装できるビジネスモデル「経済的不安0(ゼロ)工事」を考案した。独自の方法で、空き家問題解決に挑む大橋さん(=写真)に工事の内容などを聞いた。

          
Q1 「経済的不安0工事」とはどのようなものですか。
       

空き家の所有者が貸し物件として改修工事を依頼する場合、入居者が決まるまで工事費用の支払いが不要となるビジネスモデルで、昨年4月に特許権が認められました。空き家という地域の「資産」を、ストック材料の「資材」を使い、職人たちの余暇の「時間」でリフォーム工事をするというものです。桐生は空き家率が高いため、「0工事」で空き家の資産価値を高め、地域活性化に貢献したいと考えています。

     

          

リフォームは大工や左官、板金、内装、給排水、電気、塗装、建材など多くの職人が携わりますが、職人もタイミングによって仕事のない期間があり、その時間をそれぞれの優れた特技や能力を生かせないかと考えました。さらに余剰資材を有効活用すれば、所有者が初期投資コストを心配することなく改修工事ができます。一般的なリフォーム工事より時間はかかりますが、低価格であることがメリットです。入居者が決まった段階でお支払いいただく工事代金は、リフォームローンの対象にならないことがデメリットですが、ご理解いただいています。

 

※「0(ゼロ)工事」は入居者決定後には工事費用をお支払いいただきます。「0(ゼロ)工事」の「0(ゼロ)」は、従来型工事に比べて経済的な不安が少ないことを意味し、工事費用の支払いが不要という意味ではありません

          
Q2 これまでに何棟手掛けましたか。
       

3棟手掛けました。いずれも賃貸物件として生まれ変わり、すべて入居中です。

1棟目は建物の半分が倉庫、残りは空きスペースという機屋(はたや)のリフォームでした。織物のまちとして栄えた桐生市内には機屋だった建物がたくさんあり、多くが空き家のままか、倉庫として使われています。この工事は、空きスペースを倉庫と切り離して賃貸住宅へと用途を変え、新たな資産となりました。2019年9月から2年がかりで改修し、昨年12月に入居者が決まりました。

     

          

1棟目に手がけた物件の模型

 

2棟目、3棟目は戸建てを改修しました。「0工事」は、手間のかかる造作や、壁や床の仕上げの工夫といった職人技の〝見せ場〟としても一役買っています。

 

今後は市内の空き店舗となった商業ビルの改修工事を手掛けていきたいと考えています。若い世代の意見や活用のアイデアを取り入れ、にぎわいを取り戻せたらいいなと思います。若い人に積極的にまちづくりに関わってもらうことで、桐生というまちに対する思い入れが深まってくれることも期待しています。

          
Q3 空き店舗を改装した職人紹介カフェ「ぷらっと」について教えてください。
  

          

常連さんもいるというくつろぎの空間

 

桐生市本町6丁目の商店街の空き店舗を改修したカフェです。住宅や店舗建設を希望する方と「ぷらっと」に所属する有志の職人集団との橋渡しをする場として立ち上げました。

 

主に職人との打ち合わせスペースとして活用していますが、例えばコーヒー(一杯300円)などの飲み物もあり、地域の方がふらっと立ち寄ってカフェとして利用されています。営業時間は午前10時から午後3時までで、水曜日が定休日です。

          

お問い合わせ/有志職人集団ぷらっと

メールアドレス:info@livingohashi.com

  

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