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目の前に山々が広がる神流町の一角に建つ築150年近い古民家。先祖が暮らした家も約20年前から空き家となり、施主の宮前知之さんの父が藤岡市から週末に通って維持してきた。父から宮前さんが相続したが、「古民家をどうするか?」という問題に直面した。
当初は田舎暮らしに興味がなかったという妻の周子さんが「放置しておくのはもったいない」と一目ぼれ。コロナ禍でリモートワークが脚光を浴びた時期でもあり、どこに住んでいても不便ではないという思いから、古民家再生が始まった。
「経済的な負担を減らしつつ、なんとか再生を」と考えたご夫妻。2022年春、川崎市から神流町に移住し、具体的な準備を古民家再生を手掛ける福島建業に頼んだ。「自分たちの考え方を受け入れ、相談に乗ってくれた福嶋淳社長の人柄にもひかれた」と、依頼を決めた。
工事は数十年前のリフォームで設置された子ども部屋の解体からスタート。老朽化の激しかったダイニングキッチン(DK)、風呂、トイレなどの水回りは全面的に改修した。キッチンは業務用の流し台。壁に沿った収納などを設け、機能性も重視した。DKの床や腰板などは新しい無垢材に張り替え、壁は珪藻土で塗り直し、快適な空間に生まれ変わらせた。
玄関の三和土は、コンクリートを剥がして、そこに新しい粘土をたたき固める仕上げを経て完成。土間には冬の寒さ対策として薪ストーブを設置した。
福嶋社長の指導・サポートを受けつつ、ご夫妻も積極的に改修作業に参加した。特に珪藻土の塗り壁はほとんど自分たちで塗った。さざ波のようなタッチが良い味わいとなっている。
今回の改修では1階の大きな居間や2階、外観は手をいれず、経済的負担を最低限にとどめた。「スタッフとも仲良くなり、楽しいDIYだった」と振り返る。
80日間にわたる改修の様子は、ご夫妻のYouTubeチャンネル「神流宮」で公開している。
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