参道商店街の未来探る 東大と高崎商大 観音山で実地調査

参道商店街の未来探る 東大と高崎商大 観音山で実地調査
       

高崎白衣大観音の建立90周年に向けて、高崎観音山参道商店街の未来を考えるワークショップ(WS)が14日、同商店街が開かれ、東京大と高崎商科大の学生が高齢化や後継者不足、店舗の閉業、空き家化が進む同商店街の実地調査を通して、課題や活性化について考えた。

両大学の学生15人は3班に分かれ、各店舗を訪問。聞き取り調査で、同商店街の歴史や現状、課題を整理した。その後の発表では、景観の美しさや人付き合いの良さ、観音様への深い愛着を魅力として挙げた一方、若年層向けのコンテンツ不足や後継者問題、廃屋の多さ、外国人対応の難しさなどが課題とした。解決策としては、アーティスト・イン・レジデンスによる空き家の活用、レンタサイクルの導入、交流サイト(SNS)での発信、直通バスの設置などを提案した。

WSは、同市出身で東京大大学院に在籍する井田耕平さん(23)が関係団体、企業に協力を仰ぎ、実行委員会を組織して実施した。ボーイスカウト活動や高崎高時代のマラソンなどを通じて観音山に親しんできた井田さんは大学4年時、巨大仏の研究を開始。戦前に建立され、市民のシンボルとして根付く高崎白衣大観音の文化的価値に着目し、現在は観光地としての空間構造の変遷を研究している。

今回のWSについて、井田さんは「一つの方向を向いて盛り上げていくことが大切。多様な立場の人が意見を出し合う場が必要」と説明。高崎観音山商業組合の組合長で、慈眼院の橋爪良真住職は「地元出身の方が強い思い入れを持ってくれ、心強い」と歓迎した。

来年2月に発表会と意見交換会を開き、地域住民と将来の方向性や解決策を探っていく。

  

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