山登りの体験をつづったエッセー漫画を交流サイト(SNS)で発信している。丸みを帯びた柔らかなタッチで、登山の楽しみ方や山での感動的な出来事をみずみずしく伝えている。
幼い頃から絵を描くのが好き。生まれ育った愛媛県で看護師として働き、10年ほどたった頃、漫画をきっかけに登山に親しむようになった。
イラストや漫画の道に進む転機になったのは2020年に友人(現在の夫)と始めたユーチューブへの動画投稿だった。山の魅力を発信する動画に入れた自作の挿絵が視聴者から好評だった。21年に病院を退職。その後、動画の企画で半年ほど全国の山を巡る旅に出たことで、絵を仕事にしたいとの思いが強まった。
登山体験を描いたエッセー漫画をインスタグラムに投稿することが活動の中心になった。「見た人の疲れを癒やせるようなイラスト」にこだわり、iPad(アイパッド)で描き込む。読者に自然の魅力を伝えようと、色使いや構成を試行錯誤して仕上げている。
24年2月には登山入門書「ゼロから山女子始めてみました」(KADOKAWA)を出版した。初心者だった自身の経験を基に、必要な道具や計画の立て方、遭難への備えなどを漫画と図解で分かりやすく示した。
同年12月、夫婦で前橋市へ移った。山が近いことに加え、東京へのアクセスの良さが決め手になった。移住後に赤城山や尾瀬ケ原を散策した体験漫画は「山を探して群馬に来ました」と題し、インスタグラムに投稿している。
ゆくゆくは本県の山々をテーマにした書籍の出版や、自治体や地域団体と協力した山のPRなどを思い描く。「群馬の山や自然を歩き、魅力を漫画やイラストで表現し続けたい」と意欲を見せる。