「犬のしつけ専門ぽぽハウス」経営・ドッグトレーナー
松岡 宰相さん(30) 大沢 真衣香さん(27)
=前橋市富士見町 マイ・フェイバリット・群馬
山の見える景観に、広いドッグランを備えた前橋市富士見町の「犬のしつけ専門ぽぽハウス」。共にドッグトレーナーの松岡宰相(さいそう)さん(30)と大沢真衣香さん(27)が、おやつを使わずに犬と信頼関係を築き、ほえたりかんだりしないようにしつける。大型のセントバーナードから小型犬のチワワまで、多いときで1日10頭ほどを預かり、県外から訪れる客も多い。犬とのダンスやディスクを使ったスポーツにも取り組む。
2人は2022年1月、東京から群馬に移住した。前年末に引っ越しを決めると、年明け一番で業者に予約して荷物を運んできた。前橋移住コンシェルジュの鈴木正知(60)さんと移住後の暮らしについて話し合ったり、空き家を一緒に見てもらったりするなど多くのサポートを受けた。
松岡さんは愛知県、大沢さんは千葉県の出身。自然が大好きで田舎生活に憧れていた大沢さんが群馬に遊びに来た時、自然や人に魅力を感じて移住を決めた。物件探しで訪れた空き家に「ビビッときて決めた」。広い庭があったのも気に入り、柵を設けてドッグランに。床を改修して22年5月に店をオープンした。
都内では散歩する場所が限られていたが、移住後は犬がのびのび過ごせる環境になった。飼育していたのは日本スピッツの「ぽぽ」(雄、7歳)1頭だけだったが、今では犬5頭とインコ1羽に増えた。「(のびのびできて)ぽぽも大喜び。生き生きしてる」と話す。
群馬での生活は「暑い、寒い、風が強い」と気候の厳しさを感じながらも、景色が見飽きないという。見る間に伸びる雑草に、生まれて初めて刈り払い機を使ったり、引っ越しのあいさつ回りでは両手いっぱいに野菜をもらったり。知らないことの多さと、人との距離の近さに驚いた。
今ではご近所さんと晩酌するほどなじんだ。群馬弁の「そうだいね」が好きだという松岡さん。「すてきな優しい人ばっかり」「もう戻れないね。(群馬に)染まったね」と2人でほほ笑んだ。
店は今後、ドッグスポーツの練習ができるような室内ドッグランを作ったり、オリジナルのドッグフードのネット販売も手がけたいと構想を温める。
【マイ・フェイバリット・群馬】
◎新鮮な果物、野菜 採れたてで苦手克服
群馬のフルーツがおいしくて毎日のように食べている。イチゴにスイカ、ブドウ、ナシ…。ご近所さんから届く旬の味に舌鼓を打つ。「いただけるのがすごくうれしい」
移住前では味わえなかった採れたての野菜。大沢さんは、以前は食べられなかったナスが大好きになったという。