地元が支援 制作没頭 ビエンナーレ出展を機に

地元が支援 制作没頭 ビエンナーレ出展を機に
       

画家 大野 光一さん(38) =中之条町西中之条

中之条町で2年に一度開かれる現代アートの祭典「中之条ビエンナーレ」。東京都板橋区出身の画家、大野光一さん(38)はこのイベントをきっかけに町に移住した。

武蔵野美大を卒業後、都内を拠点に活動し、人の顔をモチーフとした油絵制作を続けてきた。2年前のビエンナーレ公募に応募、初めて作家として出展した。この時はまちなかの酒蔵をギャラリーとして使い、1週間ほど滞在した。「居心地が良く、作家を大事にしてくれると感じた」。中之条の土地に好印象を抱いた。

町の移住コーディネーター、村上久美子さんに相談し、ビエンナーレ会場となる小学校跡地の「イサマムラ」の教室をアトリエとして借りた。ここは24時間利用可能で、同じように5組の作家たちが借りている。「徹夜で制作に没頭することもできる。手厚い町のサポートに感激した」

今年5月、町役場近くの築50年の中古住宅を購入した。前もって村上さんに移住について相談しており、物件が見つかると即決だった。すでにアートをきっかけに移住した作家たちが何人もいたのも心強かったという。

今春から、町の地域おこし協力隊に応募し、ビエンナーレの事務局も担当することになった。それまではアトリエにこもって制作に打ち込むことが多かったが、地元との接点が広がった。「作家が作品に活用する廃材や古着を山ほど提供してくれたり。ますます中之条が好きになった」

9月13日に開幕する今年のビエンナーレでは、アトリエ内に作品を飾り、部屋ごと見せる展示を考えている。「引っ越しのあいさつを兼ねて、『こんな活動をしています』と紹介したい」と意気込む。

実は購入した家にはまだ住んでおらず、アパート暮らし。ビエンナーレの準備と、間もなく町内にオープンする作家グループのギャラリーの準備に追われ、改修が後回しになっている。「最低限の改修だけはしっかり済ませてから住みたい。将来は自宅をギャラリーにしたい」と夢を描いている。

マイ・フェイバリット・群馬

野菜の無人直売所 豊かな食が格安で
新鮮な野菜が並び、その脇に料金箱が置いてあるような野菜の無人直売所を群馬のあちこちで見かける。ちょっとユニークな野菜も格安で買えるので、車で足を延ばしてはよく活用している。今の時季はキュウリやトウモロコシ。購入したキュウリで漬物も作る。
たまに直売所に農家の人がいて、「今年の野菜の出来はどうですか」と会話を楽しんでいる。食が豊かなのは大きな魅力だ。

  

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