大窓から本県の自然を 移住者狙いデザイナーズアパート HIRO建築工房

大窓から本県の自然を 移住者狙いデザイナーズアパート HIRO建築工房
       

建築事務所「HIRO建築工房」(前橋市総社町総社)は、県外出身者に本県の魅力を伝えることをコンセプトにしたデザイナーズアパート「SORA(ソラ)緑が丘」(前橋市緑が丘町)を設計した。大きな窓から豊かな自然が望めるのが最大の特徴。県内の大学や職場に通うために移住してきた人たちに照準を合わせて、将来的な定住促進につなげる。

伊藤昭博代表(53)によると、アパートのオーナーの男性は本県出身の写真家という。男性は都内に移り住む中、生まれ育った本県の魅力を再認識し「大学生に群馬の良さが伝えられるアパートを手がけてほしい」と、伊藤代表に設計を依頼したという。空き家となっていた男性の実家を解体し、昨年9月に着工、今年2月に完成した。

木造2階建てのアパートは6室を備えており、3棟に分かれる「分棟型」。部屋同士の壁が接していないため高い遮音性を実現した。壁などには天然由来の自然塗料を使用し、アレルギーを持つ人でも快適に暮らせるようにした。

部屋ごとに天井の高さや形状などは異なるが、1Kの1室は開放感のある3・5メートルの吹き抜けで、ロフトが付く。風呂と洗面所の仕切りはガラス張りにし、ホテルのような非日常感を演出した。「SORA」にちなみ、いずれの部屋も空が目に飛び込んでくる大窓を配置。それぞれの部屋から最適な景色が眺められるように窓の形や向きなどを工夫したといい、利根川の清流や敷島公園の木々などの自然も望める。

伊藤代表は、事務所の設計技術を生かして高品質な居住環境を提供し、本県への移住促進に貢献したい考えだ。「群馬は少し足を延ばせば、美しい自然や文化施設にアクセスできる強みがある。快適に住みながら魅力を満喫してもらえたらうれしい」と話している。

現在は4室が空いている。アパートの延べ床面積は約150平方メートルで、1室約31平方メートル(ロフト含む)。家賃は管理費込みで1カ月6万8千円。問い合わせは同事務所(☎027・226・0855)へ。

  

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