水沢うどんの大沢屋、賃貸や売買仲介 空き家再生事業に力 グループ会社設立 「にぎわい創出貢献を」

水沢うどんの大沢屋、賃貸や売買仲介 空き家再生事業に力 グループ会社設立 「にぎわい創出貢献を」
       

水沢うどん製造販売の大沢屋(渋川市伊香保町水沢、大河原秀之社長)は、近年深刻化する空き家問題の解決のため、空き家の再生事業に力を入れている。グループ会社「空き家価値創造研究所」(同市半田)を2024年2月に立ち上げ、顧客から空き家を一括借り上げ(サブリース)し、入居者に転貸する事業に着手。今年4月には宅地建物取引業の免許を取得するなど業容を拡大している。同社は空き家対策を通じ、地域活性化につなげる考えだ。

21年9月、コロナ禍で売り上げが落ち込む大沢屋の収益補塡(ほてん)と空き家の利活用を図ろうと、同社専務の大野哲児さん(52)が個人で大家となり空き家の再生を始めた。実績は約20件に上り、法人化して本格的に事業参入した。

空き家価値創造研究所の設立後、着実に再生の実績を重ねた。玉村町の築約40年の木造住宅はかつて3世代が暮らしていたが、空き家になって数年が経過していた。大野さんは、所有者とサブリース契約を結び、リフォーム業者に水回りや壁などの修繕を依頼した。この物件には現在、海外から移住してきた夫妻が暮らしている。

宅建業の免許を取得してからは、売買の仲介にも力を入れる。渋川市の築約80年の養蚕農家が使っていた空き家は数年間放置され、親族が固定資産税を毎年支払っている状況だった。同社が所有者と購入希望者を引き合わせ、5月に売買契約が成立した。

今後は建物を買い取ってリフォームし、希望者に販売する一連の再生事業を手がけていく方針。大野さんは、前橋市の中心部で実態調査を実施したところ3カ月で約千軒の空き家が見つかったとし「想像以上の空き家があって驚いた。山間部ではさらに深刻なはずだ。顧客の悩みを解消すると同時に、地域のにぎわい創出に貢献していきたい」と意欲を示す。

同社は13、15の両日、同市大渡町の県公社総合ビルで空き家に関する相談会を開く。大野さんらが個別で対応し、来場者には大沢屋の半生うどん2人前をプレゼントする。

相談会は午前10時~午後4時。参加無料で、予約を勧めている。問い合わせ、予約はイベント事務局(☎070・8955・9029)へ。

  

他の記事を読む

カテゴリー