みどり市大間々町の中心部に、貸店舗を中心とした複合施設「Haji―Maru(ハジマル)」が開業した。築約100年の空き家を改装、遊休不動産を活用している。地域の交流拠点や、飲食・販売業を目指す人たちが飛躍する場としての役割が期待される。
◎日替わり貸店舗 飲食・物販で交流
市のリノベーションまちづくり事業「家守塾」で学んだ市内のまちづくり会社「いろといろ」の社員や地元有志らが1年がかりで改修した。江戸時代に宿場として栄えた大間々の再生を目指している。
地元産木材を使った調度品が施設内の落ち着いた雰囲気を醸し出す。新規開業を目指す事業者が日替わりで飲食の提供や物品を販売している。開業後1カ月で出店枠がほぼ埋まるなど人気を集めている。
地元住民が持ち寄った本を貸し出す民間図書館「ひとはこ本棚」も設けた。道行く人が気軽に立ち寄れるようにしている。
にぎわい創出や事業者間の交流につなげようと、4月から毎月第3土曜にマーケットイベントを用意。初回は3事業者が飲食を提供、菓子やレコードも売って客を楽しませた。
5月の出店開始を前に、試験的に菓子を販売した香取悠起子さん(24)=太田市=は「(客に)他のブースと一緒に見てもらえた。開業前に店を知ってもらうことができ、第一歩にちょうど良かった」と話した。
散歩中に立ち寄った近くの須藤トミ子さん(75)は「昔はいろいろな店があったが、最近は空き家が目立つ。若い人が新しいことを始めると町が活気づいて良い」と感謝した。
今後は空室の2階部分にシェアハウスやゲストハウスを設けて交流の場を用意し、大間々をはじめとした市全体の活性化につなげていきたい考えだ。
いろといろの片山翔平社長(42)は「店を持ちたい人や地元住民、観光客などさまざまな人が集う拠点を作りたかった。店での出会いが、新たな何かが始まるきっかけになればいい」と話した。