自己肯定感を高める居場所 伊勢崎に就労支援事業所 講演活動に力、料金を工賃に

自己肯定感を高める居場所 伊勢崎に就労支援事業所 講演活動に力、料金を工賃に
       

自分や他人と向き合い、自己肯定感を高める居場所としての役割を重視する就労継続支援B型事業所「ピアリンク」が今月、伊勢崎市今泉町に開所した。精神障害者の家族や、学生らに利用者が自身の経験を話す講演活動に力を入れ、講演料を工賃に還元する珍しい事業にも取り組む。互いに困り事を話し合うミーティングやアート作品の販売など多様な取り組みも行う。
同市でグループホームや自助グループなどを運営する一般社団法人「居場所づくり研究会」(同市、柳春海代表理事)が立ち上げた。
柳代表理事(52)は1999年ごろにうつ病を発症し、4年間で3度の転職、再発を繰り返した。2004年ごろに同市の心療内科・精神科「華蔵寺クリニック」を受診。クリニックは精神障害者らが話し合いを大切に、地域で働く社会福祉法人「浦河べてるの家」の考え方を理念とする。柳代表理事は自分の経験を話すことなどで回復につながった。
柳代表理事は自身の経験から精神障害者らが自他と向き合い、成長できる場を作りたいと空き家を改装。事業所を立ち上げた。
県内外の大学や精神障害者の家族会などで柳代表理事と利用者が講演し、講演料を工賃として還元する仕組みづくりを目指す。県によると県内の同型事業所は201カ所(23年3月末時点)あるが、このような取り組みは珍しいという。
革小物やコースターなども作り、マルシェやネットでの販売を検討する。柳代表理事は「作品制作に限らず、利用者が求めることを一緒にやりたい」と力を込める。
事業所は精神、発達、軽度知的の障害者を中心に募集する。定員20人。問い合わせは事業所(☎090・2165・5328)へ。

  

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